基本的に私はハトロン紙に作図をしているアナログ人間。しかし、そんなことも言ってられない。これからのライフスタイルを考えたとき、私自身ノマド的な生活に憧れていることもあり、どこでもPCひとつで仕事ができるように製作スタイルを最適化したい思っています。
現在の生活は作図や裁断をする十分なスペースがあることが前提であり、必要な道具も多岐に渡るのでなかなかアトリエから離れることができないのが実情です。悲しい。
これは大いに人生の可能性を狭めていると思います。これからの時代、リモートワークが選択肢の1つになっていく中で、CADのスキルがあればきっと役立つはずです。
ということで、企業で幅広く使われている有料版CADから、趣味用としても使える無料CADまでまとめてみました。
アパレルCADで出来ること。
アパレルCADはパターンメイキング、グレーディング、マーキングまでこなせます。また、プロッターやCAMがあればPC上だけで作業はほぼ完結できる素晴らしいツールです。
私が文化にいた時は、1年目で服作りの基礎を勉強し2年目からCADを習いました。2年次に中退したのでCADの単位を全部は取れませんでしたが、こんなに便利なものがあるのかと感動した覚えがあります。
まずは代表的なCADソフト(有料版)の紹介。
- クレアコンポⅡ
- AGMS
- ユカアンドアルファ
上記がよく企業で使われているアパレルCADになります。
その①:業界のスタンダード「クレアコンポⅡ」。
クレアコンポは東レの開発したCADです。アパレル業界No.1のシェアを誇っており、文化服装学院ではクレアコンポの一種である「パターンマジック」を使用して講義を受けました。
おそらくこれがアパレル用CADの基準になるので、勉強するならまずはこれだと思います。痒いところに手が届くような機能が満載で使いやすかったです。
クレアコンポの価格について。
さすがにシェアを独占しているだけあって、価格はお高めです。いろいろなソフトを込みにすると100万円は必要です。
ただ、AdobeのCCみたいなクラウドサービスも行われています。そちらは何とか手の届きそうな価格なので一度試してみるのもアリかもしれません。
全部込みでざっと月額27,100円です。
ただ、ソフトを買うだけだと出力ができないので、ハード(プロッターやスキャナー)も買うとなると更に資金が必要になってきます。
その②:クラウドサービスに定評のある「AGMS」。
AGMSはクラウドサービスを利用したアパレルCADシステムを提供している会社です。

クレアコンポよりも少し高いです。DXFデータの互換性を考えると、クレアコンポに軍配が上がると思いますが、使いやすさも選ぶ際の大きな指標なので何とも言えません。一応、こういうのもあるよということでの紹介です。
その③:バラエティに富んだ製品群「ユカアンドアルファ」。
ユカアンドアルファはアパレル業界を支える業務用ソフトウェア・システムの開発に特化した会社です。
製品情報を見るとワクワクするようなラインナップとなっています。後述するCLOなど、バラエティに富んだ製品が特徴です。
本題の無料CADソフトを紹介していきます。
やっと本題に入ります。お待たせしました。
前段でつらつらと有料ソフトについて書きましたが、高価格で個人ではちょっと手が出しにくいことが分かっていただけたと思います。幸いネット上にはいくつかのフリーCADが転がっているので情報を整理、比較するためにもまとめてみました。
- パタパタモードくん
- 洋裁CAD
- ハイパーホロン
- DG-メトロ
順番に解説していきます。
その①:無料で高機能な「パタパタモードくん」。

以前は有料だったようですが、無償提供されるようになったそうです。初めから無料公開が前提でなかったというのは期待できます。
下記のように豊富な機能を兼ね備えていて、無料で使えるのが申し訳ないぐらいです。
- パターンメイキング
- 縫い代つけ
- グレーディング
- パラメトリック
- マーキング
会員登録をする必要があるので、ちょっと面倒かもしれません。しかし、完成したパターンのデータを送信すると出力後に送付してくれるサービス(有料)などもあるので至れり尽くせりです。
これから試してみてレビュー記事を上げる予定です。こちらのサイトよりダウンロードできます。
ちょっと待てよ。。

まさかのmacOSに対応していませんでした。非常に残念です。。Windowsをお持ちの方はぜひ試してみてください!
その②:趣味用としての「洋裁CAD」。

洋裁CADは趣味洋裁用に開発されたフリーのアパレルCAD、履歴型の2次元CADです。こちらは幸運にもmacに対応しています。趣味用の文言が気になりますが、一度試してみたいと思います。

開発者の方のブログも面白いのでオススメです。
その③:原型を自動作図できる「ハイパーホロン」。
文化式原型とドレメ式原型を自動作図できます。私が文化服装学院に入って初めての作業がこの原型作図でした。かなり面倒くさいのでこれは便利ですよ。ただ、なぜかnot foundになってしまいます。責任は負えませんが、興味のある方は一度試してみてください!
その④:ペットや人形にも対応「DG-メトロ」。

こちらは有料版と無料版があります。ペットや人形にも対応しているのはユニークです。残念ながらmacには対応していないので試せませんが、家庭用プリンターでも出力できるそうなので、初心者にもオススメかと思います。
番外編|より高度なCAD。
イラストレーターで描ける「iPM」。

有料ですが、ちょっと面白そうなのを見つけました。Adobeのillustratorを使ってパターンメイキングができるそうです。曲線などの操作感はAiの方が優れているだろうから期待大。
Adobe Illustrator 2020にはまだ対応してませんが、(対応したようです!)イラレ慣れしている人には良いかもしれません。試用期間も付いてるのでお試しも。
次世代のCAD「CLO3D」。
最近は3Dモデリングでパターンを作ることもできるそうです。おそらく、これからはそれが主流になるだろうと思います。
興味深い記事を見つけたのでぜひ目を通してみてください。
CLO3Dは前述したユカアンドアルファ社で取り扱っているそうです。
個人的には最も気になってるCADです。使える人もそう多くはないだろうから、スキルがあればきっと重宝されますよ。
以上でCADのまとめを終わります。参考になりましたら幸いです!