【№12】端切れで作ったキャスケット。

服を作っているとどうしても余ってしまう生地の残布。捨てるのにはもったいないし、かと言って保存しておけば塵も積もれば山となる。そんな処置に悩む残布はかき集めて帽子にしてしまいましょう。

大体の目安ですがキャスケットの場合、140cm幅だと30cm、90cm幅だと50cmぽっきりの長さで足ります。それに服ほど難しい縫い方をする必要もないし、コーディネートのアクセントとして汎用的に活用できます。帽子なんていくつあってもいいよね。

今回製作したキャスケットは以前大量に生地を仕入れた際におまけとして貰った生地を使用しました。服を作るには全然足りない長さだけど、せっかく珍しい生地だから何か使いたいなと思って保管してたので良い機会になりました。

8枚はぎのキャスケット。

こちらが完成品です。形自体はオーソドックスな8枚はぎ。はぎの数が多くなるほど、ベレーっぽさが増します。実は黒系の生地を除けば、1枚の生地しか使用していません。織元が実験をするために作った生地なのかもね。

謎のツイード。

生地を詳しく見ていきましょう。とは言っても、おまけとして頂いた生地なので繊維組成がまるで分かりません。アイロンを掛けると急激に縮むし、シワを伸ばす必要があるしで、扱いにとても苦慮しました。

おそらく、様々な繊維や糸で織られたものだと思います。アイロンに繊維が溶けてべったり付着していましたから。これだけ縮んだり溶けたりする生地だと危険すぎて市場に出せないと思うし、何よりクセが強すぎる。帽子の面積でこれだけ目立つということは、ジャケットになれば歩くネオン街か。もし、あなただったらこの生地で何を仕立てますか?

細々のディテール。

無駄に高級なリボン。

キャスケットの内側はこんな感じです。表布は8枚はぎだったのに対して裏布は1枚でとってあります。頭に触れる部分はできるだけ切り替え線がない方が好ましいので。パターンの画像はないですが、花弁みたいな形をしています。

この裏地は私のお気に入りでして、ジャケットにも使ったものです。経糸はポリエステルで強度を担保、表に出る緯糸はキュプラなので静電気を発生させにくい性質をもっています。吸湿性、放湿性もあるし、まさに帽子の裏地にうってつけ。洗濯を頻繁にするようなワーク系帽子は裏地もコットンがベストだけど、たまにしか被らないような帽子だったらこういうのもありかと思います。

日本製|裏地|甲州織|国内生産|color.101

そして、帽子を頭に安定させるための滑り止めとしてサイズリボンをつけています。滑り止め以外にも汚れ防止や、縫い代を隠すといった意味合いがあり、なくてはならない存在。ラメ入りのグログランリボンにしましたが、思ったよりも値段が高くて驚きました。

真の帽子愛用者であれば長く使うためにシーズンごと、わざわざサイズリボンを交換するそうです。でもそれは一理ある。ダイレクトに汗を吸う箇所なので高級な素材を使ってる場合じゃなかったと後になって思いました。。交換しやすいように手で縫い付けています。

スナップボタンは任意です。

ブリムにはスナップボタンをつけました。両方留めてもよし、片方だけ留めてアシンメトリーなシルエットにするのも面白いかもしれません。

ありがとう、天ボタン。

キャスケットの天ボタン

頭頂部にはくるみボタンをつけました。生地自体は同じなのであまり存在感はないですが、縫い代の密集地点を隠す意味で付けた方がいいかもしれません。正直に言うと、ちょっと縫い合わせがズレたから天ボタンは必要だったのです。

着装例とあとがき。

キャスケットの着装例

ダイソーで買った発泡スチロールの頭部マネキンに着装してもらいました。トップモデル並みに小顔なので帽子を被せてもぶかぶか、ちょうど良いポイントを探すのにも一苦労。片方だけスナップボタンを留めてアンニュイ感を出してみました。

似合う人にはぴったりハマって、似合わない人はとことん似合わない感じがプンプンしますが、本来であれば使われずに仕舞われていた生地。一日もかからずに作れちゃうので、普段忙しい洋裁ファンにもオススメな帽子作りでした。

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