【製作日記2.5】語らない背中を目指して。【№10】

製作日記2のまとめ

今回はサイドベンツの処理をして、脇を縫い合わせるところまで解説していきたいと思います。

構造自体はシンプルですがオーソドックスな方法を自分なりにアレンジして製作していますので、ちょっと変わった箇所があるかもしれません。

ワンピースバックの癖とり。

後ろ身頃の癖とり

後ろ身頃は通常であれば右後ろ身頃と左後ろ身頃の2枚の生地を縫い合わせますが、今回は1枚(ワンピース)でとっています。

2枚はぎの利点は背中心でダーツをとってウエストを絞れることですが、ストライプやチェック柄の場合はどうしてもズレてしまいます。それをギリギリのところで合わせるのが腕の見せどころでもありますけど。

今回は特にスリムなシルエットにするわけでもなく、どちらかというとフロントダーツを省いたボックスシルエットです。また、生地が面白いストライプをしているので、後ろ身頃は背中線に潔く真っ直ぐ1本の線が入るようなパターンにしました。

癖とりは肩甲骨を包み込むようなイメージで行いました。画像を見てもらうと分かると思いますが、肩甲骨の張りが出るように背中心側と袖ぐり側から追い込んでいます。

ただ、背中心側を追い込みすぎるとダーツがないので変な膨らみができてしまいます。袖ぐり側を重点的に行い、背中心の方は気持ち軽めに。最後に生地を広げ、肩甲骨の膨らみは保ちつつ、背中の中央をアイロンで潰して後ろ身頃の癖とりは終了です。

そういえばワンピースバックの癖とりで思い出したのですが、文化にいた時の先生が面白い方法でウエストの絞りをとっていました。

その方法はハ刺しを利用した方法で、少しずつ生地を寄せていってアイロンで殺していせていきます。なので、織りの粗いツイードのような生地でないと上手くいかない、ぶくぶくが浮かんできます。

確か、オートクチュールの技法だった気がしますが、この技法を用いればダーツが全くないのにウエストが絞れた不思議なジャケットを作ることも夢ではありません。かなりの手間がかかることは予想できますが、そのうち作ってみたいと思います。

カメレオンなサイドベンツ。

サイドベンツはカメレオンのように後ろ身頃に擬態しているべきだと思います。そこにあるのだけど、よく見ないと気づかない、決して主張しない。

ベンツが開いていると目立ちますから、あえて重なり分をとった上で形作っていきます。今回は写真に撮っていなかったので、そういった見えない部分の工程の説明は省きます。

やっぱり、文章だけで技術を説明するのは無理がありますね。。一番良いのは動画だとここ最近になって思いました。とはいえ、自分の中にある言葉にならないイメージを言語化することは脳に刺激になりますし、曖昧な水っぽい感覚を強固な固体にする練習になります。

話は逸れましたが、先に進めていきます。

①:額縁仕立ては邪道か。

額縁仕立てのコインポケット

裾の角の部分は額縁仕立てです。この仕立て方は見た目としてはすっきりしていて綺麗ですが、内側の生地を切り落とすため裾が軽くなってしまうというデメリットがあります。

裾の重さはシルエットを形づくるためには重要な要素です。

例えば、カーテンの裾は10cm程の3つ折りにすることで自然なドレープを生み出しています。この前、ホームセンターで見たときはウエイトテープを裾に仕込ませたりと工夫されていました。

そう考えると額縁仕立ては邪道な方法かもしれません、お直しもできないし。ただ、裾が軽くなって浮いてしまうのであれば重りを入れれば問題ないでしょう。

そこで考え出されたのがこのコインポケットです。額縁の持つ端正さとシルエットを出すための重りを共存させたデザインで気に入っています。

②:癖とりが重要な脇入れ。

サイドベンツの縫い合わせ

前身頃と後ろ身頃を縫い合わせることを脇入れと言います。

脇をミシンで縫い合わせたら画像にあるようにラバン馬の上で癖とりをしていきます。このとき基準にするのは脇側の布目です。布目を真っ直ぐに動かして、後ろ身頃の角をアイロンでいせることにより、緩やかなラインが生まれます。

画像がこれだけなので、どういう感じで進めたか忘れてしまいました。。

ちゃんちゃんこ。

ジャケットのちゃんちゃんこ

肩は縫い合わせていませんが、人台に掛けてみました。

いわゆる「ちゃんちゃんこ」と呼ばれる状態です。少しだけウエストが絞れつつ、腰を包み込むシルエットでいい感じだと思います。

次回は裏地の処理をしていきます。

続く。

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