【製作日記2.2】2面構成ジャケットのサイドダーツ。【№10】

製作日記2のまとめ

前回はジャケットの芯を完成させましたが、今回から表地です。通常の仕様とは異なる構成なので、そこも含めて解説していきます。

生地を活かすための2面構成1ダーツ。

ジャケットのサイドダーツ

今回のジャケットは2面構成(前身頃と後ろ身頃)1ダーツです。これはよく注文服に見られる仕様でして、昔のジャケットもこの形が多かったと記憶しています。

確か100年ほど前に細腹はなかったはず。Side bodyサイドボディサイド腹細腹になったそうです(服部 晋の「仕立屋日記」より)。テーラリングには、このような適当に決められた洒落た名称がいくつかあります。

対して、最近のジャケットによく見られるのは3面構成(前身頃、細腹、後ろ身頃)です。細腹があることにより面で絞れるのでスリムなシルエットを作りだせます。

そもそも、昔はルーズなシルエットだったのでそもそも細腹をとる必要がなかったわけです。近頃はそこまで極端に細いスーツは見なくなりましたが、それでも細いスーツは人気があります。当然ですが、面を増やすほど立体的な服を作ることができます。ただ、これは私の考えですが切り替えの少ないほうが生地本来の風合いや動きを再現できるのではないかと思います。

くせとりが重要。

できるだけ1枚の生地で立体を作りだすには必然的にアイロン操作が重要になります。イッセイミヤケのような例外はありますが。

画像には水が入ったボールと刷毛が写っています。これで生地の布目を変えていきます(くせとり)。

くせとりは生地の種類にもよりますが刷毛で水を薄く塗り、アイロンで焦がさないように全体重を乗せることを繰り返す大変な作業です。テーラーの方が5kg〜ぐらいのアイロンを使っているという話をよく聞きますが、それだけ力仕事でもあるということですね。

ちなみに私の使っているアイロンはこちらです。重さはないですが、半端ないぐらいスチームが出ます。文化に居たときは教室にナオモトのゴツいアイロンが置いてましたが、個人的にはそれよりも断然使いやすいです。オススメ。

フィレンツェ風ダーツ。

細腹がない代わりにダーツを袖下から腰にかけて1本入れました。いわゆるフィレンツェスタイルを参考に取り入れたもので、フロントダーツを省略した代わりにウエストのくびれを生みだしています。

注意点としては、ダーツが斜めに入っていることで生地が伸びやすいです。なので、アイロンを決してずらさずに上から押さえつけるようにクセをとっていきます。

ダーツの裏の写真を撮っていなかったのが残念ですが、裏にはスレキを一緒に縫い込んでダーツの縫い代の段差が生まれないように工夫しています。

そして、仕上げはダーツの星止めです。これが終われば前身頃の処理は終了で、しばらくの間、このパーツは寝かせておきます。

続く。

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